センサリーマップのつくり方

五感にやさしい社会の創造を目指す感覚過敏研究所では、夏休み自由研究企画として、小中高生を対象に「センサリーマップコンテスト2022」を開催します。

身近な場所や施設を探検しながら、音や光、ニオイなどの五感情報をマップに記していきます。人によっては快適な五感情報になりますし、ある人にとっては苦手な五感情報のマップになることもあります。苦手な場所の発見や、普段意識することのない自分の感覚についてあたらめて見つめることができるだけでなく、探索場所によっては、街の観光のあらたなアイディアの発見や、お店の出店情報などの分析に使うこともできます。

この夏、センサリーマップ作りに挑戦してみましょう!

センサリーマップとは

センサリーマップは視覚、聴覚、嗅覚などの五感情報をマップに追加したものです。「この場所、いい匂いがして好き」「この場所はうるさくて苦手」そんな五感に関する情報を地図にマークしてオリジナルの地図(センサリーマップ)を作成します。

センサリーマップの効果

・自分の快適・不快の環境が可視化でき新しい発見ができます
・苦手なニオイや音がする場所を事前に回避できたり、対策ができるようになります。

センサリーマップの事例

海外ではさまざまな感覚特性の人が過ごしやすいように、美術館や博物館、水族館、動物園などで園内地図・館内地図に五感情報が掲載されているケースが増えてきています。残念ながら日本では事例が少ないです。ないと言ってもいい状態です。

ロンドン博物館のセンサリーマップ

ロンドン博物館

ロンドン博物館では、光・音・ニオイなどの五感情報をマップ化し、来場者がマップを見ることによって、光が出る場所、ニオイがある場所を回避できたり、対策して鑑賞することができるようになっています。

オリジナルのセンサリーマップの作り方

STEP1:センサリーマップを作りたい場所の地図を用意する。

マップを自作したり、ネットからダウンロードしたり、作成・配布されてる案内図などを入手します。

例)
・好きな街や近所の地図を入手する(ネットや観光案内所などで入手)
・好きな施設(博物館、水族館、遊園地、ショッピングモール)の案内図を入手する(ネットまたは現地で)
・自分の家の中の見取り図や近所の地図を自作する

STEP2:現地に向かい、自分の感覚を使ってマップを作ろう。

センサリーマップを作ろう!現地に行って五感情報を地図に残そう!

現地に向かい、どんな感覚情報があるか探してマップに追加します。「この場所はうるさくて嫌」「この場所に流れてる音楽が好き」同じ、聴覚情報でも「好き」「嫌い」や、「快適」「不快」は人それぞれです。まずはどんな感覚の刺激があり、それをどう感じたかを、地図にメモを記入したり、ふせんを貼ったり、シールを貼ったりしましょう!

記録の例)
・地図に直接記入
・付箋を貼って、感覚や感情をメモする
・目・耳・鼻などの五感を色別にしたシールを貼る
・光や音、ニオイなどの情報がわかるオリジナルマークを自分で作って作成
・感覚過敏研究所の五感シールを利用する(準備中)

画像引用:大英博物館

3.地図を見て考えよう!

ニオイや音などの情報を記入したオリジナルの地図を見て、どんな発見があるか考えてみよう!

自分の感覚の傾向に発見はあったかな?

例:
「自分はお店のBGMが好きではないのかも」
「食べ物のニオイは好きだけど、焼き鳥屋さんからのニオイは苦手らしい」
「私は音に敏感かもしれない」など

・調査した場所には特徴があったかな?

例)
「この街はニオイ情報が多かった」
「いつもここに行くと疲れやすかったのは、照明が明るすぎなのかもしれない」

・感覚過敏や苦手なものが見つかった場合、どうしたらいいか考えよう!

例)
「この場所の音がうるさいので、今度からノイズキャンセリングイヤホンをしよう」
「この場所のニオイは気持ち悪いので、これからは息をとめて早足で歩こう!」

・好きなものが見つかった場合、もっと調べてみよう!

例)
「青色の光が落ちつけて好きみたい。ネットで青い光の照明がないか調べてみよう」
「カラフルな色の服が好きみたい。今度、挑戦してみよう」

・他の人のセンサリーマップと比べてみよう!

家族や友達と一緒に調査した場合、自分のセンサリーマップと同じ点や違う点をくらべてみよう!

例)
「同じ場所でも、私は「好き」と思ったけど、友達は「嫌い」と思っている」
「弟とは、ニオイの感想はほぼ同じなのに、目の情報は私のシールが少ない」

上記のようなことをまとめて記載したら、自由研究は完成!夏休みの宿題も1つ終わりました!お疲れ様です。

もっといい自由研究にするために

内容の濃い自由研究にするためには以下のようなことも調べて書いてみましょう!
・センサリーマップの説明
・今回調査に選んだ場所にした理由
・このマップはどんな社会の役に立つか考えてみる

時間があれば、街全体やハイキングコースなど大きな場所のセンサリーマップや、ショッピングモールAとショッピングモールBの違いなどの調査も面白いかもしれません。

センサリーマップを大募集!センサリーマップコンテスト2023開催!

五感にやさしい社会の創造を目指す感覚過敏研究所では、夏休み自由研究企画として、「センサリーマップコンテスト2023」を開催します。昨年も「センサリーマップコンテスト2022」として開催しており、今年で2回目の開催となります。