
3パターンあるセンサリールーム
センサリールームは、音や光、ニオイなどの五感の刺激を少なくし、聴覚・視覚など感覚過敏の症状がある人やその家族が安心して過ごせる空間・部屋のことです。
同じ「センサリールーム」という呼び名でも実際は3種類あります。
感覚刺激を少なくしスポーツ観戦やライブ観戦などを楽しめるスペース
サッカーやバスケットなどのスポーツ施設やライブ会場などで、周囲の音や光などを気にせず観戦や鑑賞を楽しめるスペースです。

感覚・感情を落ち着かせるスヌーズレンを利用したセラピールーム
スヌーズレンとは、知的障害がある人のアクティビティーとしてオランダでうまれました。現在は、知的障害や精神疾患がある方が感覚刺激を自由に楽しめる空間やプレイセラビーとして福祉施設や医療施設に導入されるだけでなく、海外では一般家庭に、子どもたちの感性や感覚を育むアプローチとして取り入れられています。安心できる照明や音楽を用意します。

公共施設や商業施設において感覚刺激を回避できるスペース
イベント会場や公共施設などで、静かにすごせる小部屋や空間です。以下に説明する「カームダウンスーペース」とほぼ同じで、どちらの表現を使用するかによりますが、より気軽に用意できるのが、センサリールームです。
カームダウンスペース・クルーダウンスペースとは
カームダウン・クールダウンスペースとは、音や光、ニオイなどの五感の刺激をやわらげ、感覚過敏の方のストレスを緩和したり、感覚刺激によるパニック(メルトダウン)を落ち着かせることができるスペース(避難所)です。
一般的には「センサリールーム」がその目的を果たしますが、2020年に開催予定の東京オリンピック・パラリンピックに向けたバリアフリーの取り組みの中で、自閉症スペクトラムや知的障害の方々の感覚刺激のよるパニックから落ち着ける場所の設置とピクトグラムの策定が行われ、その際に「カームダウン・クールダン」と名称が決定しました。
カームダウン・クールダウンスペースとはどんなもの?
箱型またはパーテーションのようなもので、周囲の光や音など遮断えきるスペースです。部屋として準備することも可能です。
パーテーション型の事例
羽田空港のカームダウン・クールダウンスペースです。パーテーション型で椅子が1つ置かれています。

箱型の事例
成田国際空港の箱形のカームダウン・クールダウンスペースです。中に椅子があり、ロールカーテンをおろして利用することが可能でです。
成田国際空港のカームダウン・クールダウンスペースの詳細はこちらから。

部屋型の事例
代々木国立競技場のカームダウンスペースです。ドアをあけると小部屋になっています。

センサリーD&I(ダイバーシティ&インクルージョン)な社会を目指したい
センサリールームやクワイエットアワーは感覚刺激に強い反応をする方々にとって安心できる空間や時間です。日本ではまだ浸透していない取り組みです。感覚過敏研究所SDI推進室としても、センサリールームの社会実装に力を注ぎたいと考えております。ご賛同くださる方、ともに社会実装に取り組んでくださる企業様・パートナー様を広く募集しております。