このマーク知ってる?カームダウン・クールダウンマークについて
感覚過敏研究所SDI推進室のサイトで、クワイエットアワー、センサリールーム、カームダウンスペース、センサリーマップ、センサリーフレンドリーな商品などの国内外の事例を紹介しております。多くの事例をお伝えしながら、目に見えない感覚におけるダイバーシティ&インクルージョンを考えるきっかけになればと考えています。
カームダウンスペースとは、光や音などの感覚の刺激を遮断することで、感覚過敏によるストレスの軽減やパニック(メルトダウン)の回避やクールダウンに使用できるスペースです。今回は、カームダウン・クールダウンマークについて紹介します。
カームダウン・クールダウンスペースマークについて
このマーク、ご存知ですか?

これは「クールダウン・カームダウン」マークで、感覚過敏などの光や音の刺激が苦手な人が疲れたり、パニック状態になりそうな時に体調を落ちつかせたり、休むことができる場所や空間に表示されるピクトグラム(案内用図記号)です。
何度も協議が行われ、最終的には間仕切りの中の椅子にくつろいで座る人のピクトグラムになりました。また2020年5月20日に経済産業省にて、JIS規格のマークとしても認定されています。
2020年に開催が予定されていた東京オリンピック・パラリンピックやそれ以降に向け、新たなピクトグラムの作成が検討されていました。その一環として急速に変化する社会事情に適合するために作成されたのが、クールダウン・カームダウンマークです。
独立した部屋の場合はカームダウン・クールダウン室、簡易的に作られたスペースの場合はカームダウン・クールダウンスペースと区別して呼ばれることもありますが、どちらも同じピクトグラムを利用します。


JIS規格とは?
JIS規格とはJapanese Industrial Standardsの略称で、日本産業規格とも呼ばれます。例えばカームダウン・クールダウンマークがJIS規格として認定されると、多くのカームダウン・クールダウン室・スペースで同じマークが用いられるため、利便性が高まります。
クールダウン・カームダウンが必要な理由は?
感覚過敏などにより視覚、聴覚、嗅覚、味覚、触覚などの諸感覚が過敏だと、疲れやすく日常生活に困難さがあります。クールダウン・カームダウンは、音や光、ニオイなどの五感の刺激をやわらげ、ストレスの緩和や感覚刺激によるパニック(メルトダウン)を落ち着かせることができるスペース(避難所)として必要とされています。
使用事例
成田国際空港や羽田空港、旭川空港、国立競技場、有明アリーナなどで、カームダウン・クールダウンマークが使用されています。
引用/参考先
エコモ財団「カームダウン・クールダウン Calm down,cool down について」
経済産業省「日本産業規格(JIS)を制定・改正しました(2020年5月分)」
文:いうと