【ケーススタディ】「Goトレイン」で設置されているクワイエットゾーン

感覚過敏研究所SDI推進室のサイトで、クワイエットアワーセンサリールームカームダウンスペースセンサリーマップセンサリーフレンドリーな商品などの国内外の事例を紹介しております。多くの事例をお伝えしながら、目に見えない感覚におけるダイバーシティ&インクルージョンを考えるきっかけになればと考えています。

センサリールームとは、音や光、ニオイなどの五感の刺激を少なくし、聴覚・視覚など感覚過敏の症状がある人やその家族が安心して過ごせる空間・部屋のことです。今回はカナダの鉄道「Goトレイン」で、設置されているクワイエットゾーンを紹介します。

Goトレインとは?

Goトレインとは、カナダのトロントとその近郊都市を繋ぐ鉄道路線の1つです。ボンバルディア・バイレベル・コーチと呼ばれる、二階建ての車両を採用しています。

Goトレインで採用されている二階建ての車両
Goトレインで採用されている二階建ての車両

Goトレインのクワイエットゾーンについて

Goトレインのクワイエットゾーンは、2階建て車両の2階で実施されています。平日の午前6時から午前10時、午後3時から午後7時の通勤・通学時間帯が実施時間です。トロントとバリーを結ぶバリー線で試験運用され、好評により全線で展開されました。

クワイエットゾーン実施中の車内では、乗客に以下の対応が求められています。

  • 会話は短く、小さな声で
  • 電子機器の音はミュートに
  • ヘッドホンやイヤホンの音量は、他の人に聞こえない程度に
クワイエットゾーンが実施されている車内
クワイエットゾーンが実施されている車内

またオーディオブックやポッドキャストを配信しているAudibleがスポンサーとなっているため、乗客は車内にあるQRコードをスキャンすることにより、無料でコンテンツと引き換えられます。

AudibleがスポンサーとなっているGoトレイン
AudibleがスポンサーとなっているGoトレイン

所長・加藤路瑛レビュー

電車でクワイエットアワーやエリアがあるのはすごいですね。通勤通学時間に実施しているのも、一番混み合う時間帯なので、静かさを求める人にはありがたいですね。日本の場合、都心部のラッシュアワーは話す余裕などないくらい混んでいるという現実もありますが、誰もが静かにする意識が働くのは重要ですし、全車両ではなく、2階席のみという運用方法も良いなと思いました。

ただ、日本の女性車両の問題点と共通する部分かもしれませんが、この車両に乗らない場合は配慮不要なのか?といえば違うでしょう。

そして、Goトレインを調べると、トラブルとしてあがっているのが、クワイエットゾーンなのに、話している人がいる!というトラブルです。お互いの協力のもとなので、緊急で電話で話す必要が出る場合もありますし、スマホのミュートができてなかったということもあるでしょう。そのような時に、音を出した人を責めるような空気感は避けたいものです。

そのようなトラブルは多少あるとしても、この取り組みいいと思います。さらに、静かにするために、オーディオブックなどを提供する会社がスポンサーになるって仕組みも最高です!

日本でもやりたいです。取り組んでみたい鉄道会社さんいませんか?スポンサーやってみたいなという企業さんもいらっしゃいましたら是非お声がけください。

引用/参考先

Wikipedia「GOトランジット」

TORONTO STAR「GO Transit expands Quiet Zones to all rush-hour trains」

METROLINX「Quiet Zone on GO Trains now sponsored by Audible」

GO Transit「Quiet Zone by Audible」

yelp「64 photos for Go Transit」

文:いうと

感覚過敏研究所では、センサリールームやカームダウンスペース、クワイエットアワーの相談・企画・提案・設計などをおこなっています。

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