【ケーススタディ】「おたる水族館」で実施されたクワイエットアワー

感覚過敏研究所SDI推進室のサイトで、クワイエットアワーセンサリールームカームダウンスペースセンサリーマップセンサリーフレンドリーな商品などの国内外の事例を紹介しております。多くの事例をお伝えしながら、目に見えない感覚におけるダイバーシティ&インクルージョンを考えるきっかけになればと考えています。

クワイエットアワーとは、お店のBGMや照明を落として、感覚過敏の方が落ち着いて買い物や館内滞在できる時間帯やキャンペーンデーのことです。今回は「おたる水族館」を紹介します。

おたる水族館
〒047-0047 北海道小樽市祝津3-303
https://otaru-aq.jp/

おたる水族館のクワイエットアワーについて

おたる水族館のクワイエットアワーは、音のない水族館と呼ばれることもあります。イルカショーが好きだけれど、聴覚過敏を持っていて楽しめない子どもについて保護者が水族館へ相談したことにより、音のないイルカショーなどが実施されることになりました。

当日はイルカショーとトドショーで流れるBGMなどの音がオフになり、ショーの司会は声を出さずにプラカードで説明します。BGMなどの音が消されたことにより、生きものたちの着水時の音が伝わりやすくなるなどと、別の魅力も生まれました。

またショー以外では、以下の取り組みがされています。

  • 館内BGMや放送をOFFにし、4つの電子看板を活用した案内への変更
  • 落とし物などがあった場合は、掲示板を持ち歩いて対応

実施期間・利用方法

おたる水族館のクワイエットアワーは、2022年7月2日(土)と2022年10月1日(土)の13時半〜17時に実施されました。次回の開催は未定ですが、定期的に開催する予定とのことです。

所長・加藤路瑛のレビュー

私の中のクワイエットアワーのイメージは、小売店で照明やBGMを落とした時間帯の取り組みでした。ですので、水族館でのクワイエットアワーの事例を知った時、「なるほど!確かに!」と思いました。

水族館は暗くて静かなイメージがあるかもしれませんが、魚たちを綺麗に見せるために照明がたくさん使用されていますし、来場者も多く騒がしいです。イルカなどのショーも人気のイベントですが、会場に人がたくさんいるだけでなく、拍手やBGMなどでの反響音も大きく、聴覚の過敏さが強い方は楽しめない場合があります。

おたる水族館のしずかなショーは、動物たちを楽しみたい方にもよい取り組みだと思いました。イルカの息遣い、鳴き声、ジャンプするときの水しぶき・・・そのような1つ1つの躍動的な音がBGMにかき消されることなく感じることができるかもしれません。

音楽があるショーは楽しいです。しかし、静けさの中に感じられるものもきっと世の中には多いのでしょう。おたる水族館の取り組みはそのことに気が付かせてくださいました。

クワイエットアワーを広めたい!

センサリールームやクワイエットアワー、センサリーマップは感覚刺激に強い反応をする方々にとって安心できる空間・時間・ツールです。日本ではまだ浸透していない取り組みです。感覚過敏研究所SDI推進室としても、センサリールームの社会実装に力を注ぎたいと考えております。ご賛同くださる方、ともに社会実装に取り組んでくださる企業様・パートナー様を広く募集しております。

注)当記事は日本社会に向けて、クワイエットアワー、センサリールーム、カームダウンスペース、センサリーマップ、センサリーフレンドリーな商品の重要性をお伝えするものです。感覚過敏研究所SDI推進室が取り組んだ実績ではございませんので、ご了承ください。

引用/参考先

NHK「知らなかったわ、クワイエットアワー」

おたるぽーたる「おたる水族館…音のない水族館(7/2・10/1 13:30~17:00)実施」

小樽水族館「おたる水族館令和4年度夏の営業 “音のない水族館”」

写真:NHK(提供:おたる水族館)

文:いうと

感覚過敏研究所では、センサリールームやカームダウンスペース、クワイエットアワーの相談・企画・提案・設計などをおこなっています。

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